求人広告を出しても人材が集まらない。集めるためには、採用条件をよくするしかないと思っていませんか。
もちろん、求めるスキルに見合った条件でない場合や、他社と比較して条件が劣っている場合は、採用条件の変更によって人が集まるかもしれません。
ですが、条件に問題がないなら、条件の変更は少し待ってください。採用条件を変更せず、求人広告で人を集めるためのポイントをお伝えします。
目次
1.人材が集まりにくいのは当たり前
多くの会社で、求人広告を出しても人が集まりにくい状況は起こっています。一部の会社だけの悩みではなく、多くの会社の悩みになっているのです。実際、当事務所にも求人に関するお悩みのご相談が数多くあります。
実は、人が集まりにくいのは当然のことなのです。
・売り手市場
少子高齢化による労働者の減少や、景気の上昇などから、有効求人倍率は上昇しており、求人は売り手市場です。多くの企業が募集していますから、どうしても人が集まりにくくなってしまいます。
売り手市場では、大企業も採用に注力し、求職者も大企業を希望する人が多くなるため、優秀な人材はどんどん大企業に取られてしまう、という現象も起こります。
・そもそも求人広告が見られていない
求人数の増加、求人媒体の多様化によって、求職者に見落とされる求人広告が増えています。
利用しない媒体の求人は、当然目に入りませんし、たとえ利用する媒体だとしても、求職者はすべての求人を隅々まで見ることはほぼありません。パッと見て大まかに選び、選んだものの詳細を見ます。
紙媒体なら紙面のサイズ、インターネットなら表示順位など、費用に応じた優劣があり、予算が潤沢にある大企業でない限り、埋もれやすくなってしまいます。
広告を出したからといって、それが見られているとは限らないのです。見られなかった広告に応募がくるは難しいことですから、いかに自社の求人広告が求職者の目に留まるかが大切な視点となってきます。
2.応募者が増えればいいわけではない
単純に応募者を増やせればいいのであれば、方法はいくつかあります。
- 条件をよくする(給与等)
- 間口を広げる(未経験者歓迎等)
- お金をかける(求人媒体を増やす、広告のプランを上げる等)
こうすれば、応募者はある程度増やせるでしょう。しかし、コストがかかりすぎて現実的ではなく、たとえ可能でも、希望するような人材ではない応募者が増えるという新たな悩みも生まれるのではないでしょうか。
ただ応募者を増やすのではなく、「欲しい人材の応募を増やす」ことが必要なはずです。
3.欲しい人材の応募を増やす3つのポイント
欲しい人材にピンポイントで応募してもらうためには、「欲しい人材の」目に留まり、「欲しい人材にとって」魅力的な求人にすることです。
コストをかけるだけでは解決できません。
必要なのは、
- 欲しい人材を明確にする
- 最適な求人媒体を選ぶ
- 最適な求人原稿を作成する
ことです。
例を挙げますと、女性を採用したいのであれば、女性向けの求人媒体を選び、欲しい人材の心が動く原稿を掲載していく、ということになります。
そして、これらを実現するために3つの見直すべきポイントがあります。
ポイント1 自社をよく知る
自分の会社のことぐらいわかっている、と思うかもしれません。確かに社外にアピールできる業績や制度など当然把握されていることと思います。
では、会社の雰囲気や、そこに馴染む人材、足りない人材を明確に把握しているでしょうか。
必要なスキルを把握しているだけでは、採用しても、会社に馴染めず早期退職になりかねません。社内の細かな状態を知ることは、欲しい人材を明確にするために不可欠です。
また、社外からどう見えているか、はどうでしょう。
たいてい求職者は、求人情報だけでは応募を決めずに、その企業のホームページを確認します。
求人情報では得られない、詳しい情報を期待しているはずです。自社サイトに、良さや他社にはない魅力、社風といった欲しい人材が望むような働くイメージが湧く情報があれば、引き付ける効果が期待できます。
逆に、ずっと更新されておらず、古い情報しかなければ応募を辞める可能性すらあります。いくらいいものがあっても、見えなければ人には伝わりません。
これは求人情報にも当てはまります。
採用条件や仕事内容、社風など、どれだけ魅力的であっても、求職者に伝わらなければ意味がありません。まずは、求人情報に目をとめさせるために、いきいきと働くイメージが湧くような情報を提示できているか見直しましょう。
ポイント2 「欲しい人材」を深掘りする
自社のことを隅々まで把握できると、自然と「欲しい人材」についてもはっきりしてきます。そこからさらに欲しい人材とはどんな人材なのかを具体的にイメージします。「ペルソナ設定」と呼ばれるものです。
ペルソナはできる限り具体的に設定します。
- 名前
- 性別
- 年齢
- 性格
- 経歴
- スキル
- 仕事への取り組み方
などです。
もしうまく設定できない場合は、実在の人物から作り出すこともできます。社員や友人、家族などからイメージすれば、設定しやすくなるかもしれません。
設定したペルソナ通りの人しか採用しない、というわけではありません。ペルソナは最適な求人媒体を選び、最適な求人原稿を作成するために必要不可欠です。
設定したペルソナ(欲しい人材)が
- とる行動
- 欲しがる情報
- 働きたいと思う会社
がどんなものかイメージします。
そうすれば、欲しい人材に、より効果的な求人媒体や、響く求人内容がわかるのです。
→求人方法|効果的な求人に必要な3つのポイント も参考にしてください。
ポイント3 過去の採用活動を振り返る
これまでの採用活動を次の求人に活かせていますか。
上手くいったことも、失敗したこともすべて偶然ではなく、理由を検証し、課題を見つけ、それを解消することで、求人はより効果的なものになっていきます。
PDCAサイクル(PLAN【計画】→DO【実行】→CHECK【評価】→ACTION【改善】)の「C」と「A」にあたる部分です。「P」が先にお伝えしたポイント1と2にあたります。
例えば
- 利用した求人媒体は?
- 求人の時期や期間は?
- 求人の原稿内容は?
- かけたコストは?
- 得られた結果は?
などを振り返り、効果があったものは継続、課題は解決する方法を検証しましょう。
人が集まりにくい今、単純にコストをかけるだけでは、思った通りの結果を得ることは難しい状況です。しかし求人のポイントを押さえ、適切な対策をすれば、コストを抑えて、希望の人材を得ることも可能です。
当事務所では、魅力的な求人広告を作成するためのサポートを行っております。お困りの際にはお気軽にお問い合わせください。