ハローワークに求人を出すには、管轄のハローワークへ行って、所定の手続きをすればできます。
書式はどんな企業も一律同じで、インターネットサービスに掲載される順序は新着順となります。それぞれの求人が公平で平等に取り扱われる反面、他社との差別化がしにくいともいえます。
利用はすべて無料ですから、毎日たくさんの求人が出されますので、あなたの出した求人はどんどん埋もれていき、いくら待っても応募が来ないことにもなりかねません。
そんなハローワークの求人でも、ポイントを押さえれば効果を上げることが可能です。実際、当事務所でサポートさせていただき、ハローワークでの求人を効果的に活用された企業様が多くいらっしゃいます。
目次
1.ハローワークの求人サービス
ハローワークでは事業者に対して、人材の紹介、雇用保険の適用、助成金・給付金の支給、雇用管理サービス等を行っています。
いずれも利用は無料です。
2.ハローワークへの求人の出し方の流れ
管轄のハローワークに行く
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初めての場合は、事業所登録をする
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求人の内容を「求人申込書」に書く
※「一般求人用」「パートタイム用」の二種類がある
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受理されれば「求人票」を受け取る
初めての場合は、「事業所確認票」も受け取る
応募者があれば、
ハローワークから連絡があり、面接日等の調整
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面接
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選考結果を応募者とハローワークに連絡
上記がハローワークを利用した求人の流れです。ハローワークに行けば、手続きの方法も教えてもらえますから、特別難しいことはありません。
求人の有効期限は、受理日の翌々月の末日までで、希望すれば、申込翌日からインターネットにも掲載されます。
求人内容の変更や取り消しは、連絡すれば随時可能です。
有効期限が過ぎても再掲載することが可能で、新規扱いとなるため、再度、掲載順位の上位表示が期待できます。
ただし、あまり長い期間同じ求人を掲載し続けると、求職者に悪い印象を与える場合があるので注意が必要です。
3.効果を上げるポイント
ハローワークでは、費用をかけて求人を目立たせる民間の求人サイトのような制度はありません。
同じ条件の中で、求職者の目に留まる工夫が必要です。
給与などの待遇を良くすることも一つでしょう。しかし現実的ではありません。
実は、条件の部分以外にも、求職者にアピールできる要素があります。
事業所登録シート
ハローワークで、最初の登録時に提出する事業所登録シートの内容は、求人票に記載されます。
「事業内容」「会社の特長」の項目は、それぞれ90文字の制限がありますが、求人の効果を高めるための重要なポイントです。
「ハローワークの求人にはブラック企業が多い」などと言われていることもあり、応募に慎重になっている求職者も多くいます。
会社についての情報が少なかったり、漠然としたものであれば、疑う気持ちが膨らみやすくなります。
できるだけ具体的にイメージできる内容になっているかが重要です。
例えば、
「働きやすい会社」だけでは、人によってとらえ方は違います。
「残業なし」や「有給消化率90%」など具体的にすると、そこに魅力を感じる人が応募してくれますから、マッチングのズレも避けることができます。
事業所登録シートの内容はいつでも変更が可能ですから、定期的に見直しましょう。
求人申込書の書き方
事業所登録シートの他には「求人申込書」の内容がすべてです。ですから記載する内容は十分吟味する必要があります。
応募者が増えても採用に結びつかなければ意味がありません。効率のよい求人の為には、募集条件は正確に詳しく記載しましょう。
特に悩む必要がなさそうな項目ですが、少しの工夫で求職者の目を止めることができる項目です。求職者が求人情報を調べるときに、最初に目がいく項目でもあります。
例えば、
「営業」とだけ書かれているよりも「化粧品のルート営業(飛び込み営業なし)」などと書かれているほうが、仕事がイメージでき、注意をひくことができます。
勤務地や働き方の特徴などを付け加えてもいいです。
これらの項目を具体的に細かく記載することで、仕事へのイメージが湧き、魅力的な求人になります。
→「求人申込書の書き方《初めてでも自信が持てる書き方4つの秘訣》」
ハローワークでは、「事業所登録シート」「求人申込書」の書き方相談や条件が妥当か等アドバイスを受けることができます。
インターネットの掲載
求人申し込みが受理されれば、ハローワークのインターネットサービスにも翌日から掲載されます。
掲載には4つの公開方法が選択できます。
(1)全利用者に公開
(2)求職登録者に限定して公開
(3)事業所名等は公開しない
(4)情報を公開しない
広く求人を公開できるのは(1)です。Indeedといった外部の求人情報サイトにも掲載が期待できます。その反面、採用に結びつかない応募や問い合わせが増える可能性があります。
そんな場合は(2)や(3)の方法を検討しましょう。変更はハローワークに申し出れば、翌日から反映されます。
4.ハローワークでの求人は本当に有効か
ハローワークを使った求人は、いい人材が集まらないと聞いたことがありますか?
ハローワークは1日およそ17万人が利用しています。その利用者すべてが採用に至らない求職者でしょうか?
実は、ハローワークを利用する求職者にいい人材がいないのではなく、いい人材が応募しようと思う求人票を作成できていない企業が多いのです。
いい人材ほど求人票をよく読み吟味します。お眼鏡にかなう求人票を作成する必要があるのです。
とりわけ昨今は、売り手市場といわれ、求職者が企業を選ぶ傾向が高くなっています。企業側は社員を選ぶ側ではありますが、選ばれる立場でもあることを認識しておく必要があります。
ハローワークで効果的な採用を行っている企業は多くあります。
平成28年厚生労働省民間人材ビジネス実態把握調査でも、各年齢で就職に結びついた求人媒体手段の上位に位置しており、有効な求人媒体といえます。
5.助成金制度
人材の雇用に関しては、助成金についても把握しておくことをお勧めします。
助成金の受給には条件があり、中には「ハローワークまたは紹介事業者の紹介により雇用」という条件があるものがあります。
例えば
- 特定求職者雇用開発助成金
- トライアル雇用助成金
などです。
採用者が条件に合致しそうな場合は、ハローワークの利用はさらなるメリットといえるでしょう。
雇用に関する助成金は様々あり、新しいものや廃止されるものなど情報収集が必要です。
ハローワークでも情報を得ることができますが、手続き等お困りのことがございましたら、当事務所までお気軽にご連絡ください。
ハローワークでの求人は、コストを抑えられる反面、内容をしっかり吟味しなければいけません。当事務所では、ハローワークへの求人の基本的な出し方にとどまらず、多数の求人広告に埋もれない効果的な求人のお手伝いが可能です。