企業にとって最も重要な「人材」を得るための求人戦略は、売り手市場といわれる昨今、特に重要です。これまでの採用経験から、求人戦略を立てる必要性を感じている企業も多いことでしょう。
求人戦略を立てた採用を行うことで
- 希望に合った応募者が集まる
- 予定通りの採用人数が獲得できる
- 会社に定着し、期待通りの活躍をしてくれる
といった好循環が生まれます。欠員補充の慌ただしい求人では、好循環を生み出すことは難しくなってしまいます。
好循環を生み出すために、企業の経営戦略、人事戦略と一貫した計画的な求人戦略が不可欠です。
目次
１．求人戦略のキーは「ミスマッチを防ぐ」こと
求人戦略を立てるうえで、キーになるのは「ミスマッチを防ぐ」ことです。
そんなことならすでに知っている、とお思いかもしれませんが、実はなかなかクリアできていない企業が多いです。
- 求人広告媒体
- 採用条件
- 求める人材
などを誤るとミスマッチが起こり、期待する効果を得られません。
ミスマッチを防ぐよう、事前に戦略を立てることで、効果的な採用活動ができます。
２．求職者を意識した求人戦略
求人情報は以前よりも簡単に、豊富に目にすることができます。求職者は、たくさんの情報の中から不要な情報を排除し、必要な情報だけを選び出します。
その段階で、不要と判断されたり、ほかの情報に埋もれてしまうと、その後、求職者の目に留まることはまずありません。
まずは、適切な求人広告媒体を選び、求職者の目に留まるよう求職者を意識した求人情報が必要です。
さらに、応募を検討するための不足のない情報を提示します。
求職者は、各企業が公開している企業情報、求人情報をもとに、仕事内容や労働条件、環境など希望が満たされると判断すれば応募します。
もし、公開情報に実情との差異があると、内定辞退、早期退職といった結果になります。
また、公開情報が不足していて、希望が叶うか判断できない場合は応募しないという結果になるでしょう。
求職者には、
- どんな企業なのか
- どんな仕事内容なのか
- どんな働き方なのか
- どんな人と働くのか
といった情報を正確に伝える必要があります。
正確で豊富な情報を公開することで、求職者からのミスマッチを防ぐことができます。
求職者に伝える情報を広く正確なものにするためには、
- 自社の特徴を正確にとらえる
- 伝えるべき情報を確実に公開する
- 配属部署と連携して求人活動を行う
ことが必要です。
３．得たい結果を明確にした求人戦略
採用を焦らず、良い結果を得るためには、どんな結果を期待するのかを明確にすることです。採用企業からミスマッチを防ぎます。
（１）得たい人材を明確にする
まずは、どんな人材が必要なのか、希望する人材の条件を詳しく設定しましょう。ペルソナ設定といわれるものです。
「いい人がいたら…」など、不明確な判断ではなく、企業戦略に基づいた採用者の条件を、あらかじめ定めておくことが大切です。
このとき、全く架空の人物を設定してもよいですが、実際の社員をもとに設定するとより具体的になります。
- 〇〇さんのような社交性がある
- △△さんの持っている◇◇というスキルがある
など具体的に設定します。
（２）必要な条件を明確にする
次に、得たい人材を得るために必要な条件を決めます。
- 自社の方針
- 他社の条件情報
- 設定したペルソナが求めると思う条件
から検討しましょう。
自社の方針だけで判断すると、得たい人材に響かず、応募者が集まらない可能性があります。
（３）人材を見極める
採用での人材を見極める力も必要です。採用の過程で応募者の本質を見極められなければ、得たい結果を得ることはできません。
見極める力を高めるために、採用担当者向けの研修を行ったり、複数の目で判断するなどが必要です。
４．社内の意識を統一した求人戦略
これまでお伝えした求人戦略のポイントは、採用担当者だけで決定すべきではありません。求人活動は、社内にもミスマッチを起こす要因があります。
採用後の社員の定着や活躍、成長は、同僚となる現場社員に大きく影響するからです。求人活動の段階から、採用の目的や方針などが共有できていれば、採用後の対応がスムーズになります。
求人活動は、経営陣だけでなく現場の社員まで、全社で取り組むよう戦略を立てましょう。
また、採用後の定期的なフォローまで求人戦略に含めることで、理想的な求人の好循環を生み出すことができます。
当事務所では、人事や求人に関するセミナーを開催するなど、人材に関する幅広いサポートを行っております。まずはお気軽にお問い合わせください。
