経営者の悩みは次の3つに集約されるといっても過言ではありません。
- お金の悩み
- 人の悩み
- 売上UPの悩み
お金の悩みとは、ずばり資金繰りです。人の悩みとは、従業員との間にある問題で、大半は労務管理の問題です。売上UPについては、売上目標を達成したいが思い通りにいかないため、何をするかです。
社会保険労務士は人事労務についての専門家です。(以下、「社労士」と記載)社労士と顧問契約を結ぶことで、人事や労務問題に関しての問題発生を未然に防ぐことができ、経営者の‘人の悩み’を解決します。
中小企業の経営者は、顧問の社労士が必要なのかと疑問に思うかもしれません。
実は、当事務所と顧問契約を行っている会社は全て中小企業です。中小企業こそ、社労士の顧問が必要であると私は考えています。
大企業には、労務管理および社会保険や労働保険の事務手続きを行う専門の部署があります。大抵のことは社内で解決できています。企業によっては、内部に社労士を抱えていたりします。
しかし、大半の中小企業では専門の部署が存在せず、中には社長自ら労務管理や事務手続きを行っている場合もあります。社内で何らかの労務トラブルが発生したとき、すぐに相談できる顧問社労士がいれば、とても心強いのではないでしょうか?
顧問社労士であれば、会社の内情も把握しています。問題が起きてから社労士に依頼しても、現状を把握するだけで時間がかかってしまいます。社労士の時間だけではありません。経営者も時間を奪われてしまうことになります。
労務トラブルが発生した時、効果的な解決策を迅速に提案することが、顧問社労士の存在意義だと考えています。
目次
- 社会保険労務士との顧問契約とは
- 顧問契約のメリット
- 顧問契約の内容及び料金
- 顧問契約の期間
- 顧問契約の特典
- 日々の顧問業務で発生する具体的な事例
- 当事務所の顧問先でこんなことがありました
- 当事務所独自の取り組みについて
- 社会保険労務士を選ぶ基準
1.社会保険労務士との顧問契約とは
- 労務相談
- 労働保険・社会保険の手続き
- 給与計算
- 規程の整備
- 働く環境の整備
1つ目は、労働相談です。
経営者は、人事や労務のことで頭を悩ませる場面が少なくありません。「仕事をしない社員を解雇したい」、「突然出勤してこなくなった社員がいる」、「労災が発生してしまった」など、会社によって悩みや問題はさまざまです。
顧問社労士は、日常発生する労務の問題や悩みに対して、解決のためのアドバイスをします。
2つ目は、労働保険・社会保険の手続きです。
労働保険(雇用・労災)社会保険(健康保険・厚生年金)を法人自体に適用させる手続に始まり、従業員の入社から在籍中および退職至るまで労働保険や社会保険の各種手続を代行します。
3つ目は、給与計算です。
給与計算は、機械的にやれば良いように見えて意外と複雑です。実際、自社で給与計算を行っている企業では、社会保険料の計算ミスなどが多いように感じます。
4つ目は、規程の整備です。
就業規則の作成や、賃金規程や育児・介護休業規程など、その他各種規程の整備が必要になってきます。人を雇えば、契約書を始め書類が必要です。また、社内のルールも必要です。全て見える化するために、顧問社労士を交えて整備すべきです。
ただし、これは単発の業務にあたり、毎月の基本となる顧問料とは別料金となります。
5つ目は、働く環境の整備です。
助成金の申請代行も社労士の仕事ですが、会社としてやるべきことが行われていなければ、助成金の受給ができません。また、働く環境が悪ければ、人手不足の今、人材を確保することもできません。従業員が安心して働ける環境作りのお手伝いをします。
従業員の入社・退社は、法律にのっとった手続きが必要です。さらに、賃金額の変動、賞与の支払い、育児休業、従業員の家族の異動のたびに会社が手続きをします。それを怠り、従業員が不利益を被ると、信頼関係が崩れ、離職やトラブルに発展し、損害賠償請求される事態にもなりかねません。
このように、煩雑な手続は顧問契約をすることで解消し、じっくり本業に専念してはいかがでしょうか?
2.顧問契約のメリット
(1)経営者が本業に専念できる
一般的に総務や人事の仕事は、営業部門などと異なり、会社の売り上げに直接貢献する仕事ではありません。
中小零細企業の場合は、社長がトップセールスマンである会社が大半です。また、人手不足のため、社長自らが総務部門の仕事を行っていることも多いです。売り上げに直結しない総務や人事の仕事に時間を取られてしまっては、現状を維持できたとしても、売り上げを伸ばすことは、なかなか難しいのではないでしょうか。
経営者には経営者にしかできない仕事があります。
総務や人事を含めた労務関係の仕事は、外部に委託することができます。信頼できる専門家に依頼することで、経営者は本来の経営業務に専念することができます。貴重な時間を本業以外に浪費してしまうことは避けましょう。
従業員が少ない会社は、専任の総務担当者を置くことがコストに見合わないのではないでしょうか?他の従業員に兼務させたとしても、その従業員が専門知識を持っていなければ、やはり大きな負担になってしまいます。
各種手続や給与計算のようなバックオフィス的な業務は、社労士事務所に任せることによって、経営者や従業員が安心して本業に専念できるようになります。
顧問社労士は、重要な法改正がある場合には、事前に対応をお伝えします。経営者が、労務関連の「情報に対してアンテナを張る」ことができていなくても、顧問社労士が対応します。
労働・社会保険関係の法令は、ものすごいスピードで変わっています。また、たとえ貴社に人事・労務担当者がいたとしても、その道のプロとは限りません。その結果、意図せず法令を犯す結果となり、紛争が生じたり、行政指導を受けたりというリスクもあります。
専門家に任せすることで、安心して業務に専念できますし、会社経営にも役立ちます。
(2)人事・労務のトラブルを未然に防ぐことができる
予防法務という言葉があります。トラブルの発生を未然に防ぐために施す法律的な対応のことです。
会社の労務についても問題が起きてしまってからでは遅いです。問題が起きると、少なからず会社に損害が発生します。しかし、労務問題の発生を未然に防ぐことができれば、同時に損害の発生も防ぐことができるのです。
予防法務の1つとして、当事務所が提供する就業規則、その他規程の作成です。就業規則や規程集は単なるルールブックではありません。就業規則を戦略的に活用することで、会社に発生するトラブルを未然に防ぐことができます。
(3)助成金を活用した企業経営ができる
当事務所では助成金を活用した企業経営を提案・サポートしています。助成金の最新情報を常に入手し、WEBサイトなどを通じて情報提供していきます。
同じ助成金でも、企業の業種や経営方針によって、利用した場合の効果が異なります。
- その会社に必要な助成金は何か?
- どの助成金を受給できればメリットが大きいのか?
上記のような視点で助成金の活用を提案します。
(4)従業員が安心して働くことができる
「会社に顧問社労士がいる」ということで、従業員は安心するようです。それは、会社も法律を守るため暴走することがなく、万が一労使関係が硬直したときでも、間に入って解決してくれる人がいると期待してのことです。
人手不足の中、いかに人材を確保できるかが、今後の会社の生存や成長・発展に影響します。従業員の定着につながる「安心感」を与える一助になるのが、顧問社労士の存在です。
(5)人材確保のサポート
中小企業では、募集、面接、採用、入社後の人材教育などにあまり力を入れていないようです。そこまで手が回らないのかもしれませんが…
そのため、すぐに辞められてしまい、また募集、面接、採用の繰り返しで、悪循環に陥っているケースもあります。さらに、せっかく採用した人材を活かすための人事評価制度や賃金制度などの組織活性化のための対応策もありません。このようなニーズにお応えするのも、顧問社労士です。
採用した人を教育しても、離職されれば一からやり直しです。そして教育担当者も、疲弊していきます。また、賃金だけでなく通勤手当、社会保険料、年次有給休暇、賞与、退職金、健康診断費用等もかかります。
その点顧問契約は、顧問料以外の費用は原則かかりません。経営者の気持ちや立場を理解できる外部の総務・人事部門と契約したと考えて頂くといいかと思います。
社労士は、人事労務のスペシャリストであり、就業規則に関して精通しています。社労士を利用することは、会社で起こる可能性のあるトラブルを未然に防ぐことへの第一歩となります。
顧問社労士は、経営者の‘人の悩み’についての相談相手です。専門家として労使の間に入り、公平な対応をすることで早期にトラブルを解決することができます。また、トラブルの芽を早期に発見し、摘み取ることもできます。
職場の人間関係や労務問題で困ったら、顧問社労士に連絡してください。
【コストパフォーマンスについて】
顧問社労士がいれば、実務上の多くのメリットを享受できますが、コストパフォーマンスが大きいことは、あまり知られていません。
たとえば、労務に関する専門知識のない従業員が、四苦八苦しながら給与計算や手続を行うとしたらどうでしょう。業務時間内に作業が終われば良いですが、終わらなければ残業も発生します。必要以上に費用がかかります。
労務関連の業務を専門に行っている社労士に事務所にお任せください。コストを抑えることができます。
3.顧問契約の内容及び料金
社労士顧問契約(給与計算なし) 30,000円~
- 労働保険の手続き
- 社会保険の手続き
- 労務相談
- 事務所だより等、情報提供
- 訪問アドバイス(月1回)
その他詳細は、「社労士業務一覧」をご覧ください。
各種の手続きや給与計算、人材育成や人事評価制度の構築まで、全てを従業員に行わせるとどうでしょうか?業務量が多すぎて、多額の残業代が発生しませんか?
それを考えると、顧問社労士の事務所に労務関係の業務を依頼した際のコストパフォーマンスの良さがわかるはずです。
4.顧問契約の期間
原則1年です。(その後は、自動更新または話し合いにより更新)
従業員が安心して働ける職場環境を作るため、経営者以下、社内全員の意識改革と組織改革が必要です。それ相応の期間が必要です。働き方改革関連法案の成立と働く人の意識やニーズを把握しつつ、改善をお手伝いします。
5.顧問契約の特典
- データ管理
- 情報提供
- 他士業ネットワークの活用
(個人情報,給与データ,マイナンバーなど)クラウドシステムにて管理します。
事務所だより,人事労務だより,メルマガなどで、法改正や助成金、その他の情報を提供します。
会社経営には、さまざまな法律知識が必要です。弁護士、税理士、司法書士等、他の士業との連携の重要性を感じています。必要な時に必要な専門家をご紹介します。
6.日々の顧問業務で発生する具体的な事例
- 従業員とのトラブルの予防・解決
- 労働保険・社会保険関係の各種手続
- 給与計算の代行またはアドバイス
- 助成金のご提案・相談・申請代行
- 評価制度などの組織活性化策のご提供
- 人事労務関連の最新情報のご提供
- 就業規則等の作成・変更
- 立会業務(労働基準監督署,年金事務所等)
- 労働保険の新規適用・廃止
- 労働保険の年度更新
- 社会保険の新規適用・廃止
- 社会保険の算定基礎届
- 障害年金関連の代行手続き
- 創業支援(会社設立・許認可)
- 企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生の仕組みづくり支援
7.当事務所の顧問先でこんなことがありました
有料人材紹介を経由して採用した従業員が、わずか6か月で退職することとなりました。
原因は、能力不足で居たたまれなくなったため?です。本人は、理由をはっきり言いませんでしたが、自己都合で退職です。いきなり退職を申し出て、6か月勤めたので、「有給休暇を下さい」と辞めたあとに主張してきました。
会社は、この人を採用するのにかなりのコストがかかりました。元々、それがわかっていたので、2年以上勤務できる人を紹介して欲しいと依頼していたにもかかわらず、最悪の状態です。
この件は、最終的には、有休の権利とペナルティの相殺で話がつきました。
会社としては、金銭面では痛い思いをしましたが、就業規則の内容に従って対応しました。特に争いになることもなく解決できたのは、就業規則があったことと社労士に依頼したことだと取締役は話していました。
就業規則や他の規程を供えていても、社内で労務トラブルが起きることはあります。しかし、会社に落ち度がなければ解決は早いです。ですので、就業規則や他の規程を作成して、社内の人間関係についても見直しておくことをおすすめします。
何か問題が起きたときに「あの時こうしていればよかった」とならないために、転ばぬ先の杖が必要です。トラブルが起きてからでは遅いのです。
詳細に詰めた雇用契約書を交わしていれば・・・
間違いなく申請していれば・・・
納得できるように説明していれば・・・・
このようなことにならないためにも、社労士を活用することを考えてみてはいかがでしょうか?
8.当事務所独自の取り組みについて
現在、業界・業種を問わず人手不足が続いています。人工知能の発達やIT化によって、仕事の自動化や省人化で人手不足が解消される業界も出てくるでしょう。しかし、これから先も人手不足が続く業界もあります。
どちらにせよ、人材は必要なのです。
以前、当事務所でも『募集を出しても応募がない』、『採用しても短期間で辞める』ということ経験しています。今、同じように苦労されている経営者の気持ちが痛いほどわかります。
現在は、過去のような状況から抜け出し、人材育成に力を入れています。また、働きやすい職場環境作りの構築に取り組んでいますので、この経験を活かしたアドバイスができて、貴社の成長・発展のお手伝いができれば幸いです。
これからも続くことが想定される人手不足について、一緒に対応を検討し、募集 ⇒ 採用 ⇒ 人材育成 ⇒ 人事評価 ⇒ 定着の流れを構築します。
9.社会保険労務士を選ぶ基準
社会保険労務士の業務は多岐にわたります。企業に代わって、労働保険や社会保険に関わる多くの手続きも行っています。ですが、それだけではありません。
働く人のための環境整備にも力を入れています。働き方改革の関連法案が成立しました。2019年から、その対応が必要なのです。それから、働く人の意識も変わりました。組織や働く環境が古いままでは受け入れてもらえません。
貴社の場合は、社会保険労務士に顧問を依頼する場合、何を基準に選びますか?
依頼したいことによって、選ぶべき相手も変わるものと思います。
たとえば、就業や賃金に関する規則の作成、労働保険や社会保険に関わる申請や手続き、給与計算や助成金の請求などの手続き業務を依頼するのか?または、勤怠管理、労災の対応、給与体系や賞与、退職金など、人事や労務管理についてのコンサルティングを依頼するのかによって変わるはずです。
社会保険労務士にも、広く浅くこなすタイプから、特定の業務に精通した専門特化タイプまでと幅があります。貴社が依頼したい業務に合った社会保険労務士を選ぶことが大事です。
経営者の方は、どのような人と一緒に仕事がしたいと思いますか?
たとえば、
- 行動・対応の早い人
- 約束を守る人
- 口の堅い人
- 気軽に相談できる人
- わかりやすく丁寧に説明してくれる人
- 親身になってくれる人
- わからないことはきちんと調べて答えてくれる人
- 挨拶ができる人
- 前向きな考えの人
- 常に向上心を持って勉強している人 などでしょうか?
経営者が一番重視するのは、やはり「行動・対応の早い人」ではないでしょうか?
人手不足に始まり、それに対応するため技術が進化して、時代の変化を感じています。働く人の意識も環境も変わってきています。さらに、法律改正に対する対応も求められています。
1つずつ素早く対応することで安心感が生まれ、難しいと思っていた問題も一緒に冷静に考えることで、より良い対応ができるはずです。その他のことは、素早い対応をしながら守ってくれたら良いことと思っているのではないでしょうか?
企業にも社会保険労務士にも時代に合った対応が求められています。それにいち早く対応することで、さらに一歩踏み込んだ信頼関係が生まれるものと思っています。
社会保険労務士と顧問契約を結ぶということは、経営者の“人”の悩みについて何でも相談できる経営パートナーができるということです。経営者もご自分の価値基準で信頼できる社会保険労務士を選んでください。